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FAあれこれ

baseball 2018.11.23.

今年もプロ野球はストーブリーグの季節がやってきた。

毎年、FA移籍が話題になるけど、今年は広島カープの丸選手がFA宣言をしてその動向が注目されている。

FAと言えば過去に生え抜き選手が他球団に流出してしまい、何度も苦渋をなめたのがカープファン。

ひと昔前はドラフトの逆指名制度もあり、経済的に余裕のない球団は踏んだり蹴ったりで、、とにかく理不尽な制度自体に強い憤りがあった。

もちろん選手が得た正当な権利で、より良い条件のところへ移籍するのは当然、という意見は理解できる。

逆に結果が出なければ一方的にクビになるのだし。

しかし、これはプロ野球。

ファンありき、対戦チームありきのエンターテインメントの世界というのは一般の職業とは大きく異なる。

ドラフトも含めて、有力選手が自由に球団を選べるようになってしまうと、戦力格差が広がりエンターテインメントの魅力は著しく損なわれてしまう。

メジャーリーグでは大金で補強をする球団は贅沢税が徴収され、その資金が分配されたり、ドラフト指名権を譲渡するシステムがあったり、リーグ全体で戦力差ができないように配慮されている。

カープの低迷期にはドラフトでも有望選手を持って行かれ、FAでは主力選手が流出するなど二重苦で戦力差が拡大。

とりわけ圧倒的な資金力で選手をかき集めて上位に君臨する巨人、阪神には憎しみしかなかった。

ところが、状況は激変した。

ドラフト制度は裏金の発覚などにより逆指名の廃止、ずば抜けた選手はメジャーリーグへ移籍する傾向があり、また国内球団へ移籍する選手の人的補償で獲得した選手の活躍などもあり、戦力が均衡化、カープはついに三連覇を成し遂げた。

いや、均衡といよりはスカウティングと育成力の差で逆に戦力差は広がってしまった。

なので今回の丸選手のFA宣言には思うところが以前と全く違うのだ。

元々、関東は千葉の選手だし、家族のことを考えて巨人やロッテに移籍するというのは心情的にも理解できる。

移籍するなら、できればロッテで故郷に錦を飾ってほしいというのが本音だけど、幼少期はジャイアンツファンだったいう話も聞くし、そういう意味では、地元で恩返しがしたいとか、少年時代に憧れたチームで野球がしたい、という気持ちは誰に文句を言われる筋合いもない。

「カープが育てたのに」みたいな意見もあるかもしれないが、大抵の選手はポジションを与えられたというよりは、結果を出してポジションを勝ち取った選手なので、本人の努力、実力が大きい。

「条件の良いところでやりたい」という移籍理由は個人事業主としては立派な動機。

移籍して額面通りの結果を出すなら何らぶれていないし、「環境を変えたい」とか「〜監督、〜選手と野球がしたい」とか移籍する動機としてはそう言われたらそれまでだ。

そういう中で、個人的に一番NGなのは「優勝できるチームで野球がしたい」「強いチームで野球がしたい」という趣旨の発言。

おそらく本音だろうし、低迷しているチームで孤軍奮闘する主力選手がそう思うのはファンとして痛いほど理解できる。

ましてや同一リーグに移籍してそこで優勝を目指すということは、移籍前のチームの優勝を阻止するということになる。

優勝を信じて応援してきた選手に、優勝できないと言われたチームをこれからも応援していくファン、そこで残ってプレーする選手の気持ちを少しでも思いやれるのであれば、思っていても人として言うべきではない台詞だと思うのです。

まあ言わなくても分かるものだし、「弱いチームが嫌だったんだな、強いチームに行きたかったんだなぁ」ってそれでいいじゃないか。

そして今、カープは優勝ができるチームになった。

球団人気も過去最高で経済的にも以前ほどの格差はなくなってきている。

だからその一番言われたくない言葉を聞くこともないし、他球団に移籍するなら以前とは真逆で戦力が均衡する方向になる。

「もっと上のレベルへ行きたい」という丸選手の発言も、球団としてではなくて、野球選手としてレベルアップしたいという意味だろうし、そうとしかとれない今の状況も一昔前とは全く違う。

この状況で他球団に移籍したいというのであれば、それは本人の価値観でしかなく、残留も含めてどう転んでも納得がいく。

生理的にジャイアンツのやり方は苦手だが、ここまで来たらヒールになりきって、打ち負かすモチベーションになるのであればそれはそれでおもしろい。

ここ数年で野球の見方が随分変わった。

勝ち負けよりも良い試合が見たい、良いプレーが見たいと思うようになったというか。

三連覇の余裕だろうか。。

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